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クローン病が原因の痔瘻クローン病が原因の痔瘻

若い人に多く
いろんな場所に
複数できます。

クローン病が原因の痔瘻じろうと一般的な痔瘻じろうとの違い

原因は何が違うの?

クローン病は、消化管の内壁に原因不明のれやただれが生じる病気ですが、直腸や肛門にも症状が発生し、それが痔瘻じろうの原因となることがあります。

クローン病で炎症が
起こる場所

症状は何が違うの?

クローン病では、痔瘻じろう以外にも切れや肛門が狭くなるなどさまざまな肛門の病気を引き起こす可能性があります。また、一般的な痔瘻じろうが肛門の後ろ側にできるのに対し、クローン病の痔瘻じろうはできる場所が一定ではなく、うみの通り道の形も複雑で太いといった特徴があります(表)。

クローン病の痔瘻じろう
なりやすい人は?

クローン病の痔瘻じろうは、若い人に多いことが特徴です。

表.一般的な痔瘻じろうとクローン病の痔瘻じろうの違い

一般的な痔瘻じろう クローン病の痔瘻じろう
原因 肛門腺への感染 クローン病による直腸・肛門のただれ
原発口げんぱつこう 肛門陰窩いんか クローン病による直腸・肛門の穴
できやすい場所 肛門の後ろ側 さまざま
発症数 1つのことが多い 複数発症する
うみの通り道 細い 太く、壁が薄い、形が複雑
タイプ 皮膚表面にできるものが多い 深い場所にできるものが多い

日本大腸肛門病学会編:肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版改訂第2版, 南江堂, 東京, p44, 2020を元に作成

一般的な痔瘻じろうについての
解説はこちら

クローン病について

クローン病は消化管全体にれやただれが起こる病気です。れやただれは口から食道、胃、十二指腸、直腸、肛門にまで起こります。クローン病の原因はまだ正確にはわかっていませんが、食事や喫煙習慣などの環境因子と遺伝的素因が背景となって、免疫異常を引き起こした結果ではないかと考えられています。完治する病気ではありませんが、最近は治療薬も増え、普通の生活を送れるようになっています。また、国の指定難病であり、医療費助成を受けることもできます。

クローン病の主な症状

腹痛・下痢

体重減少・発熱

肛門周囲膿瘍を伴うクローン病患者さんの声肛門周囲膿瘍を伴うクローン病患者さんの声

IBDステーション

クローン病と潰瘍性大腸炎の患者さんのための情報サイト
「IBDステーション」ではより詳しくご紹介しています。

CD(クローン病)は
どんな病気なの?
https://ibdstation
.jp/aboutcd/

※IBDステーションを表示します

クローン病の
医療費助成制度って?
https://ibdstation
.jp/iryouhi/

※IBDステーションを表示します

クローン病が原因の痔瘻じろうの治療法

クローン病が原因の痔瘻じろうの治療には、クローン病そのものに対する治療と痔瘻じろうの治療があります。

クローン病の痔瘻じろう
どうやって治すの?

①クローン病に対する治療(内科的治療)
クローン病の内科的治療には、サリチル酸製剤や栄養療法、免疫調節薬や生物学的製剤を用いた薬物治療などがあります。肛門に対しては、で使われる軟膏なんこうや座薬が使われます。
②肛門部病変に対する治療(外科治療)
一般的な痔瘻じろうと同様、痔瘻じろうのタイプに応じた手術が行われます。
クローン病の痔瘻じろうは、複雑で深い位置にあることからシートン法がよく行われます。
クローン病でのシートン法は、うみの通り道にゴム糸を通してしばり、うみを出すことを目的にしています。しかし通常の痔瘻じろうのシートン法とは異なり、ゴムをゆるくしばることで、さらに肛門括約筋かつやくきんに負荷をかけないようにします。
これらの治療を行っても、症状によってはストーマ(人工肛門)を造設することもあります。
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